本と旅とサブカルと

本・旅・サブカルについての感想とかゆるく綴る

友情を客観的にみる

コロナが下火になってから”日常”というものを再現しようとする人もいるが、今のところでいいとこ取りの生活の仕方を試してみたりしている。

さすがに某雑誌のアウトドア×リモートはまだ挑戦してはいない笑

せっかく大自然にいるなら堪能したいからPCは家に置いていきたい・・

もしくは涼しい室内で一気に仕事を終わらせてからエンジョイ時間にたっぷり浸かりたい

 

 

今はもう友達と遊ぶことも普通にできるし、色々な所に行けるようになって良かったのだが、無理しない友情関係に必然的になっていってしまった気がする。

本当に会いたい人としか会わないなど。

その心理変化もあったのか、題名と目次でビビビッとなった本がこちら。

 

友情を哲学する

友情を哲学する~七人の哲学者たちの友情観~ (光文社新書)

 

特に注目なのが漫画のワンシーンと哲学の組み合わせで、面白い展開を踏んでいる。

1〜3章はベーシックな哲学者とワンピース、HUNTER×HUNTER、ナルト・・少年漫画のワンシーンと共に展開されていて掴みがバッチリ。

 

5章女性の友情とは何か ボーヴォワール

女性の友情はハムより薄い・・と言う言葉を最近知ってしまった。

なぜ彼女はこんな風になってしまったのか?と友人について考える機会があった。私は女性だが、かなり”男性的”脳になっている自覚があり(LGBTQとかの話ではなく)裏表なく人と接したいため、誠実さを持って友人達と関わっているのだが、、

中々女性で長い付き合いになってくれる人は少ないと個人的に感じる。

それは女性の中では友情というものが男性とは違うのでした。

この学生時代から感じていたグレーゾーンをこんなにも分かりやすく哲学を説いてくれていた方がいらっしゃったのか!と目から鱗

中学生の時に出会っていたかったかも。

 

 

6章友情と恋愛の違いは何か フーコー

色んな歌とかそういうのもあるけど、これも思春期の時に出会っていたらまた違った意見を持っていたかもしれない・・と思った。

異性の友達が割合として多い私としては、以前から思っていたこの”違い”を考えたことない人からしたら、一緒にいる男女として見てしまうようだ。

正直、そんな風にすぐ関連づけてくる言葉しか言えない人は”あぁ、それだけしか考えられないんだろうな”とこちらが感想を持つ。

一時、釣りやイベントに誘ってもらってついて行った時に「距離が近すぎる、離婚しているが同居している、不幸者を増やしたくない」と共通の知り合いの女性から聞いたことがあるが、距離を近くした覚えは無いし、家族構成も聞いたことない、恋愛要素ゼロベースの所に言われたことがある。逆にそんな聞いてもいない情報を周りに刷り込んでくる時点で”気持ち悪いな”と思ってしまう。

そんな風ななぜそんな言葉をかけたのだろう?という謎を少しほぐしてくれるような文章で少し心が軽くなる。

もちろん信用される人間であるというのが前提でお友達として誘うことができるので、男女関係ばかり頭にある人と付き合うのはこちらもノーサンキューである。

 

 

7章友達に依存するのは悪いことか マッキンタイア

まず、マッキンタイアさんの近影が面白い笑

そして、初めて知った漫画 タコピーの原罪 ・・・ちょっとだけこちらも読んだが怖いいい

マッキンタイアさんは伝統的な哲学の「人間」自律的な人間像を問いなおした所が最近の人が受け入れやすい「人間」の部分が展開されている。

個人的に刺さるサブタイトル展開がある。

友達との対話

友達へのケア

友達がもう話せなくなったとき

友情と傷つきやすさ

 

私は若い時に亡くなっている友人を知っている。

本当に”友達がもう話せなくなったとき”である。

共通の友達と今でも仲良くたまに遊んでいるが、彼の名前や一所懸命やっていた事を口にすることさえ仲間内でもキツかった。時が経っても気を使う感じ。

多分10回忌は過ぎたと思う。やっと少し口にしても大丈夫な雰囲気が出来るようになってきた気がする。

 

この本を買った時は、コロナ明けで友人が統合失調症のような言動になってしまい、旦那さんに「今まで通り友人として接してやってください」と言われて

友情とは・・・?!?!となっていた時に出会った本であった。

 

学生の時から気になっていた”友情”について

最近の漫画の例えも引用で大変面白く、よく分からずグレーだった気持ちを他の哲学者との出会いで解きほぐしてくれるような一冊であった。戸谷さんありがとう。